臨床指標とは
2024年度 老年病研究所附属病院 病院指標
年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0〜 | 10〜 | 20〜 | 30〜 | 40〜 | 50〜 | 60〜 | 70〜 | 80〜 | 90〜 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 0 | 8 | 16 | 21 | 59 | 138 | 212 | 521 | 767 | 364 |
- 【定義】
- 2024年6月~2025年5月に退院された患者様の年齢階級別患者数です。
DPC算定病棟に入院された患者様を対象とし、DPC対象病棟から他病棟へ転棟した患者様も含みます。
年齢は入院した時点での年齢で集計しています。 - 【解説】
- 当院を受診している患者様は70~80歳代が多く、全体の約6割を占めています。
また、65歳以上の患者様の割合が全体の約8割を占め、地域社会の高齢化を反映しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数(自院) |
平均在院 日数(全国) |
転院率 | 平均年齢 | 転院患者数 | 合計在院日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0400802499x0xx | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)手術なし 手術・処置等2なし |
23 | 22.26 | 16.40 | 8.70 | 86.48 | 2 | 512 | 1,989 |
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし |
23 | 29.52 | 20.78 | 8.70 | 90.13 | 2 | 679 | 2,073 |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 手術なし | 9 | 25.89 | 13.66 | 0.00 | 86.33 | 0 | 233 | 777 |
循環器科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数(自院) |
平均在院 日数(全国) |
転院率 | 平均年齢 | 転院患者数 | 合計在院日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
050130xx9900x0 | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 |
18 | 19.78 | 17.33 | 11.11 | 87.00 | 2 | 356 | 1,566 |
0400802499x0xx | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)手術なし 手術・処置等2なし |
9 | 19.78 | 16.40 | 0.00 | 91.56 | 0 | 178 | 824 |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 手術なし | 3 | 19.67 | 13.66 | 33.33 | 87.00 | 1 | 59 | 261 |
脳神経内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数(自院) |
平均在院 日数(全国) |
転院率 | 平均年齢 | 転院患者数 | 合計在院日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
010060xx99x40x | 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし |
70 | 22.81 | 16.89 | 2.86 | 80.83 | 2 | 1,597 | 5,658 |
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし |
60 | 28.10 | 20.78 | 8.33 | 85.97 | 5 | 1,686 | 5,158 |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 手術なし | 27 | 20.37 | 13.66 | 14.81 | 86.04 | 4 | 550 | 2,323 |
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数(自院) |
平均在院 日数(全国) |
転院率 | 平均年齢 | 転院患者数 | 合計在院日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx02xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 |
128 | 49.72 | 25.29 | 5.47 | 84.49 | 7 | 6,364 | 10,815 |
160690xx99xxxx | 胸椎、腰椎以下骨折損傷 (胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし |
98 | 46.87 | 19.16 | 2.04 | 82.82 | 2 | 4,593 | 8,116 |
160800xx99xxx0 | 股関節・大腿近位の骨折 手術なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 |
21 | 21.05 | 13.56 | 47.62 | 83.86 | 10 | 442 | 1,761 |
脳神経外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数(自院) |
平均在院 日数(全国) |
転院率 | 平均年齢 | 転院患者数 | 合計在院日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
010060xx99x20x | 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし |
79 | 41.65 | 16.94 | 5.06 | 78.86 | 4 | 3,290 | 6,230 |
160100xx97x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし |
69 | 7.42 | 9.83 | 0.00 | 79.43 | 0 | 512 | 5,481 |
010060xx99x40x | 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし |
60 | 42.28 | 16.89 | 6.67 | 74.45 | 4 | 2,537 | 4,467 |
心臓血管外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数(自院) |
平均在院 日数(全国) |
転院率 | 平均年齢 | 転院患者数 | 合計在院日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
050180xx02xxxx | 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 |
21 | 1.29 | 2.66 | 0.00 | 74.57 | 0 | 27 | 1,566 |
050170xx03000x | 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし |
13 | 7.54 | 5.15 | 7.69 | 81.38 | 1 | 98 | 1,058 |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 手術なし | 13 | 14.31 | 13.66 | 0.00 | 85.00 | 0 | 186 | 1,105 |
眼科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数(自院) |
平均在院 日数(全国) |
転院率 | 平均年齢 | 転院患者数 | 合計在院日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
020220xx01xxx0 | 緑内障 緑内障手術 濾過手術片眼 |
60 | 7.77 | 8.69 | 0.00 | 68.37 | 0 | 466 | 4,102 |
020220xx97xxx0 | 緑内障 その他の手術あり片眼 | 14 | 3.00 | 4.52 | 0.00 | 74.36 | 0 | 42 | 1,041 |
020230xx97x0xx | 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし | 11 | 2.00 | 2.74 | 0.00 | 73.64 | 0 | 22 | 810 |
- 【定義】
- 2024年6月~2025年5月に退院された患者様を対象にDPCコードの上位3例を掲載しています。
在院日数は当院に入院した日から退院した日までの日数です。(DPC対象病棟以外の病棟も含む)
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
5大癌 | 初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) | 版数 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 8 |
大腸癌 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
乳癌 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
肺癌 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
肝癌 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
- 【定義】
- 2024年6月~2025年5月に退院された患者様が対象で、延患者数を集計しています。
同じ患者様が複数回入院された場合もそれぞれ計上しています。
初発とは、当院でがんの診断、初回治療を実施した場合を指します。
再発とは、当院または他院で初回治療が完了した後に、当院で患者様を診察した場合や、再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。
初発として計上されたものは再発には計上していません。
初発の病期分類はUICC TNM分類第8版に基づいたものです。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
重症度 | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 |
---|---|---|---|
軽症 | 2 | 5.00 | 67.00 |
中等症 | 36 | 16.50 | 84.86 |
重症 | 10 | 27.40 | 84.70 |
超重症 | 3 | 8.67 | 94.67 |
不明 | 0 | 0.00 | 0.00 |
- 【定義】
- 2024年6月~2025年5月に退院された患者様が対象です。
成人とは15歳以上を指し、市中肺炎とは普段の生活の中で罹患した肺炎を指します。
DPCの医療資源を最も投入した傷病名が肺炎・急性気管支炎(DPCコード 040080)の中でICD-10コードがJ13~J18であるものが対象です。
重症度は市中肺炎ガイドラインによる重症度分類システム(A-DROPシステム)により分類しています。
下記のうち1項目該当すれば重症度1、2項目該当すれば重症度2という方法で分類しています。
在院日数は当院に入院した日から退院した日までの日数です。(DPC対象病棟以外の病棟も含む) - 〈A-DROPシステム〉
-
- 1.男性70歳以上、女性75歳以上
- 2.BUN 21mg/mL 以上または脱水あり
- 3.酸素飽和度90%以下
- 4.意識障害
- 5.収縮期血圧90mmHg以下
- 軽 症 : 上記5ついずれも満たさない
- 中等症 : 上記1つまたは2つを有する
- 重 症 : 上記3つを有する
- 超重症 : 上記4つまたは5つ、またはショック
- 不 明 : 1~5つの項目のうちで1つでも不明であったもの
- 【解説】
- 症例数では中等症の割合が最も多く、全体の約8割を占めています。
軽症から重症にかけて重症になるほど平均在院日数が長くなり、平均年齢も高くなりますが、重症度だけではなく患者要因にも影響があると思われます。
脳梗塞のICD10別患者数等
ICD10 | 傷病名 | 発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 | 転院患者数 | 合計在院日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
I63$ | 脳梗塞 | 3日以内 | 306 | 43.79 | 78.78 | 7.69 | 26 | 13,399 | 24,106 |
その他 | 32 | 55.94 | 76.50 | 0.59 | 2 | 1,790 | 2,448 |
- 【定義】
- 2024年6月~2025年5月に退院された患者様が対象です。
DPCの最も医療資源を投入した傷病名が脳梗塞(DPC 010060)で、ICD-10の上3桁で集計しています。
在院日数は当院に入院した日から退院した日までの日数です。(DPC対象病棟以外の病棟も含む)
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 転院患者数 | 合計術前日数 | 合計術後日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
K664 | 胃瘻造設術 (経皮的内視鏡下胃瘻造設術、 腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) |
3 | 48.00 | 35.00 | 0.00 | 80.33 | 0 | 144 | 105 | 241 |
脳神経内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 転院患者数 | 合計術前日数 | 合計術後日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
K664 | 胃瘻造設術 (経皮的内視鏡下胃瘻造設術、 腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) |
20 | 33.60 | 21.90 | 5.00 | 83.65 | 1 | 672 | 438 | 1,673 |
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 転院患者数 | 合計術前日数 | 合計術後日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
K0461 | 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 | 79 | 3.22 | 44.14 | 3.80 | 86.47 | 3 | 254 | 3,487 | 6,831 |
K0811 | 人工骨頭挿入術 肩、股 | 53 | 4.04 | 51.81 | 7.55 | 82.02 | 4 | 214 | 2,746 | 4,347 |
K1425 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術 (多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓切除 |
13 | 5.23 | 46.23 | 0.00 | 72.15 | 0 | 68 | 601 | 938 |
脳神経外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 転院患者数 | 合計術前日数 | 合計術後日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 65 | 0.43 | 9.74 | 0.00 | 80.94 | 0 | 28 | 633 | 5,261 |
K609-2 | 経皮的頸動脈ステント留置術 | 39 | 3.00 | 18.05 | 2.56 | 76.59 | 1 | 117 | 704 | 2,987 |
K1781 | 脳血管内手術 1箇所 | 29 | 1.28 | 36.90 | 20.69 | 66.31 | 6 | 37 | 1,070 | 1,923 |
心臓血管外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 転院患者数 | 合計術前日数 | 合計術後日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | 17 | 6.24 | 6.71 | 5.88 | 83.94 | 1 | 106 | 114 | 1,427 |
K617-4 | 下肢静脈瘤血管内焼灼術 | 16 | 0.56 | 2.31 | 0.00 | 72.94 | 0 | 9 | 37 | 1,167 |
K617-6 | 下肢静脈瘤血管内塞栓術 | 7 | 0.71 | 0.14 | 0.00 | 80.29 | 0 | 5 | 1 | 562 |
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 転院患者数 | 合計術前日数 | 合計術後日数 | 合計年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
K2683 | 緑内障手術(濾過手術) | 60 | 0.00 | 6.77 | 0.00 | 68.37 | 0 | 0 | 406 | 4,102 |
K2682イ | 緑内障手術(流出路再建術)(眼内法) | 14 | 0.00 | 2.00 | 0.00 | 74.36 | 0 | 0 | 28 | 1,041 |
K2191 | 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) | 11 | 0.00 | 1.00 | 0.00 | 73.64 | 0 | 0 | 11 | 810 |
- 【定義】
- 2024年6月~2025年5月に退院された患者様が対象です。
手術方式の点数コード(Kコード)によって集計しています。(輸血関連は除外)
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | 0 | 0.00 |
異なる | 1 | 0.05 | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 7 | 0.33 |
異なる | 5 | 0.24 | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | 1 | 0.05 |
異なる | 0 | 0.00 | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 2 | 0.09 |
異なる | 0 | 0.00 |
- 【定義】
- 2024年6月~2025年5月に退院された患者様が対象です。
- 【解説】
- この指標は、医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・処置の合併症について、入院契機病名(入院のきっかけとなった傷病)の同一性の有無を区別して対象患者数と発生率を示したものです。
「手術・処置等の合併症」の内訳は次のとおりです。
【ICD10】 T814 【傷病名】 処置に続発する感染症,他に分類されないもの
【入院契機】 同一 【症例数】 1 【発生率】 0.05【ICD10】 T818 【傷病名】 処置のその他の合併症,他に分類されないもの
【入院契機】 同一 【症例数】 1 【発生率】 0.05【ICD10】 T840 【傷病名】 体内関節プロステーシスの機械的合併症
【入院契機】 同一 【症例数】 0 【発生率】 0.00
2024年度 医療の質指標
指標 | 分母:肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが 「中」以上の手術を施行した退院患者数 |
分子:分母のうち、肺血栓塞栓症の 予防対策が実施された患者数 |
割合 |
---|---|---|---|
リスクレベルが「中」以上の手術を 施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率 |
202 | 171 | 84.65% |
- 【解説】
- 肺血栓塞栓症は、エコノミークラス症候群ともいわれ、血栓が肺動脈に詰まり、呼吸困難や胸痛を引き起こし、死に至ることもある疾患です。
長期臥床や下肢または骨盤部の手術後等に発症することが多く、発生リスクに応じて、早期離床や弾性ストッキングの着用などの適切な予防が重要になります。当該指標は、術後肺血栓塞栓症予防の対策の実施状況を評価するものです。
指標 | 分母:血液培養オーダー日数 | 分子:分母のうち、血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数 | 割合 |
---|---|---|---|
血液培養2セット実施率 | 128 | 13 | 10.16% |
- 【解説】
- 血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セットで行うことが診療ガイドラインにより推奨されています。
このことから、血液培養2セット実施率は診療プロセスが各種ガイドラインに則り、適切に構築・実施されているかを表す指標とされています。
指標 | 分母:広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数 | 分子:分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に 細菌培養同定検査が実施された患者数 |
割合 |
---|---|---|---|
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率 | 253 | 141 | 55.73% |
- 【解説】
- 不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、抗菌薬適性使用を推進する取り組みが求められています。
抗菌薬適性使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。
指標 | 分母:広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数 | 分子:分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に 細菌培養同定検査が実施された患者数 |
割合 |
---|---|---|---|
転倒・転落発生率 | 51,840 | 72 | 1.39% |
- 【解説】
- 入院中の患者が環境の変化、病気、運動機能の低下などにより、予期せぬ転倒・転落事故を起こすリスクがあるため、その発生状況を把握し、予防策を講じるために用いられます。
指標 | 分母:広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数 | 分子:分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に 細菌培養同定検査が実施された患者数 |
割合 |
---|---|---|---|
転倒転落によるインシデント 影響度分類レベル3b以上の発生率 |
51,840 | 4 | 0.08% |
- 【解説】
- インシデント影響度分類レベル3b以上とは、損傷レベルの高いもの(手術や大きな処置を必要とする)を指します。
この指標は、病院として転倒・転落予防の取り組みを効果的に行えているかどうかを表す指標になります。
指標 | 分母:広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数 | 分子:分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に 細菌培養同定検査が実施された患者数 |
割合 |
---|---|---|---|
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率 | 283 | 283 | 100.00% |
- 【解説】
- 手術執刀開始前1時間以内に、適切な抗菌薬を投与することで、手術後の手術部位の感染発生を予防し、入院期間の延伸や医療費の増大を抑えることができると考えられています。投与率が高い場合には、適切な投与による感染の発生防止に積極的に取り組むとともに、入院期間、医療費の観点から効率的な医療を提供していると評価できます。
指標 | 分母:広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数 | 分子:分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に 細菌培養同定検査が実施された患者数 |
割合 |
---|---|---|---|
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率 | 24,140 | 12 | 0.05% |
- 【解説】
- d2以上の褥瘡発生率とは、入院中に新たに発生した褥瘡のうち、真皮(皮膚の表層の下にある組織)以上の深さに達したものの割合を示す指標です。
看護ケアの質を評価する上で重要な要素とされています。
指標 | 分母:広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数 | 分子:分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に 細菌培養同定検査が実施された患者数 |
割合 |
---|---|---|---|
65歳以上の患者の入院早期の 栄養アセスメント実施割合 |
1,594 | 280 | 17.57% |
- 【解説】
- 栄養アセスメントは、入院患者の低栄養リスクを早期に評価し、適切な介入を行うことで、在院日数の短縮や予後改善につながるとされています。
指標 | 分母:広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数 | 分子:分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に 細菌培養同定検査が実施された患者数 |
割合 |
---|---|---|---|
身体的拘束の実施率 | 51,840 | 3,784 | 7.30% |
- 【解説】
- 身体拘束は、制限の程度が強く、また、二次的な身体的障害を生ぜしめる可能性もあるため、代替方法が見出されるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動の制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならないものとされています。
施設や医療機関などで、患者を治療の妨げになる行動がある、あるいは事故の危険性があるという理由で、安易にひもや抑制帯、ミトンなどの道具を使用して、患者をベッドや車椅子に縛る等の身体的拘束は慎むべきものです。
更新履歴
- 2025/9/25令和7年度版に差し替え
用語として、臨床指標 Clinical Indicator : CI、または診療の質指標 Quality Indicator : QI と呼ばれます。病院全体の指標や診療領域別で指標を設定し、数値を把握し、改善していくことは、情報の活用につながり、健全な病院運営上で必要となるものです。